屋根カバー工法のポイントをプロ目線で徹底解説!

屋根は日光や紫外線が直接当たるため、住宅設備の中でも劣化しやすい場所のひとつです。簡単なリフォーム方法として屋根塗装がありますが、ある程度年数が経つと塗装では対応しきれなくなります。


このときに検討したいのが、屋根カバー工法というリフォームです。自宅の屋根に施工できるかどうかを判断するには、屋根カバー工法の特徴や注意点などを理解しておくことが必要です。今回は、屋根カバー工法について詳しく解説しますので、リフォームを検討する際の参考にしてみてください。




屋根カバー工法とは?



屋根カバー工法とは、既存の平板の屋根材の上に、新たな屋根材を被せるリフォーム工法です。一般住宅の屋根には、カラーベストやコロニアルなどのスレート屋根が多く使われていますが、これらは耐用年数が短い素材です。屋根カバー工法の施工により、屋根材部分が二重になるため、被せる屋根材は瓦屋根以外の軽い素材を使わなくてはいけません。


屋根カバー工法では、上記で解説したスレート屋根の上に、ガルバリウム鋼板屋根またはエスジーエル鋼板という金属屋根を被せるケースが一般的となっています。ガルバリウム鋼板屋根は、軽量かつ耐久性に優れており、エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板をさらに改良させたものです。



葺き替え工事との違いとは



葺き替え工事では、既存の屋根材を全て撤去し、新しい屋根材に葺き替えます。屋根のリフォーム工事を検討する際、屋根カバー工法と葺き替え工事とどちらが適しているのか、迷うこともあるでしょう。


現在の屋根の状況が、以下のいずれかに当てはまる場合は、屋根カバー工法よりも葺き替え工事が適しています。

・下地材が既に傷んでいる場合

屋根カバー工法の施工が難しいため、葺き替え工事が必要です。葺き替え工事では、屋根材と下地材の両方がメンテナンスできるため、住宅の耐久性が高められます。


・屋根カバー工法を一度施工している場合

屋根カバー工法は、一度施工すると同じ屋根に再度施工することはできません。また、屋根材が屋根の勾配に合っていない場合も、安全のためにカバー工法ではなく葺き替え工事をお勧めします。


・瓦屋根を敷いている場合

瓦屋根は重量が多いため、住宅の耐震性を高めたい場合は軽い屋根材への葺き替えが適しています。反対に、軽い屋根材から瓦屋根への葺き替えは、建物の強度が高くないと施工できません。


屋根の現状を踏まえた上で、最適な工法を選択しましょう。




屋根カバー工法のメリットとデメリット



屋根カバー工法には、メリットとデメリットがあります。施工を検討する前に、それぞれの内容を理解しておきましょう。



メリット



屋根カバー工法の大きなメリットは、葺き替え工事に比べ廃材が大幅に減らせる点です。既存の廃材を撤去せず、棟板金や貫板などのみが廃材となるため、屋根材全体を撤去するのに比べ処分費が安価になるうえ、古い屋根材の撤去にかかる人件費もかかりません。これにより、葺き替え工事よりもリフォームコストを抑えることができます。新しい屋根材は、さびにくい素材でできており、屋根塗装に比べて大幅に長持ちします。


工期を大幅に短縮できるのも、屋根カバー工法のメリットです。葺き替え工事では、古い屋根の取り外しに養生が必要であり、工事期間が1週間から1か月程度かかります。一方、屋根カバー工法では養生を行わないため、葺き替え工事の半分程度の期間で施工が完了します。屋根の形状や大きさによって若干異なりますが、おおよそ7日程度の工事期間です。


さらに、屋根カバー工法により、防音性・防水性・断熱性が高まります。屋根が二重構造になることで、室内に雨音が響きにくくなります。防水性が高まるのは、新しい屋根材を被せる前に既存屋根へ防水紙を張るためです。新しい屋根材には断熱材がついているため、断熱性が向上するのです。



デメリット



屋根カバー工法のデメリットとして、屋根が重くなる点が挙げられます。既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる分、重みが増すのです。ただ、カバー工法において主流となっているガルバリウム鋼板は軽量の屋根材であるため、住宅の耐震強度にはほとんど影響を与えません。


屋根カバー工法は、原則としてスレート系屋根材に施す工法です。葺き替え工事との違いで解説したように、全ての屋根にカバー工法が適用できるのではなく、屋根材を固定できない瓦屋根にはほぼ適用できません。瓦屋根が劣化した場合には、葺き替え工事を依頼しましょう。下地材の傷みや腐敗が進んでおり、カバー工法に適さない場合も、葺き替え工事が必要となります。




カバー工法の施工手順



屋根カバー工法のメリットやデメリットを紹介してきましたが、実際に施工するにはどのような手順で進めていくのでしょうか。流れを見ていきましょう。


足場を組み立て、養生シートを敷いたのち、棟板金と貫板を撤去し、屋根の不要部分を解体します。その後、既存屋根の清掃を行ない、防水シートを敷いた上に新しい屋根材を葺いていきます。新しい棟板金と貫板を設置し、防水性を高めるためのコーキング処理をしたら、施工完了です。


施工作業全般の工期は、5日から7日程度です。葺き替え工事よりも、工期が早いことが分かります。




カバー工法の注意点



ここまで、屋根カバー工法のメリット・デメリットや施工の流れなどを紹介してきました。カバー工法の施工を検討するには、紹介してきた内容以外にも注意点があります。本文で紹介した内容も含めて、注意点をまとめて見ていきましょう。



カバー工法が可能な屋根材は限定される



屋根カバー工事において、新しく葺く屋根材として使用可能なのは、スレート・金属(ガリバリウム鋼板など)・アスファルトシングルの3種類です。これらの軽い屋根材に葺き替えることで、住宅の耐震性を高められます。



カバー工法は一度きり



同じ屋根に対して、カバー工法を用いた工事を2度行うことはできません。屋根材の重みにより、建物に大きな負担がかかるためです。1度カバー工法を行った屋根を再度修理したい場合は、葺き替え工事を依頼しましょう。



太陽光パネルなどの取り付けには注意が必要



カバー工法により、屋根材が2重に取り付けられている部分は、太陽光パネルの設置に必要な架台が安定して取り付けできないことがあります。太陽光パネルは、屋根材に穴を開けて架台を取り付けますが、安定した取り付けが出来ないと、パネルそのものの設置を断られる場合もあるのです。


太陽光パネルを既に設置しているご家庭や、今後設置予定のあるご家庭は、太陽光パネルの業者と事前に相談しておきましょう。



火災保険を使いたい場合にも注意が必要



台風などの影響で屋根が剥がれた場合、修繕にカバー工法を選ぶと、火災保険の補償対象外となる可能性があります。保険金の申請の際、「被害に遭う前の状態に戻すこと」を条件とした見積書が必要となるためです。カバー工法では、この条件から外れてしまいます。


自然災害による屋根の損傷は、下地まで被害がおよんでいることがほとんどです。このため、基本的には葺き替え工事が必要となります。



まとめ



雨漏りや屋根の劣化が気になりだしたら、屋根の修理やリフォームが必要です。今回の記事で紹介した屋根カバー工法を依頼したい・カバー工法についてさらに詳しく聞きたいなどございましたら、屋根工事の専門家である株式会社KRへお気軽にご相談ください。


横浜市都筑区を拠点とする株式会社KRでは、お客様の大切なお住まいを一番に考えております。美しく丈夫な状態がより長く続くよう、完全自社施工による高品質な施工と仕上がりをお約束いたします。施工前には近隣住民の皆様へご挨拶や説明を徹底し、スピーディーに対応いたします。適正な価格をご提示し、追加料金は一切ございませんので、安心して工事をお任せください。